書籍

対論 脳と生命 (ちくま学芸文庫)

対論 脳と生命 (ちくま学芸文庫)

生命観を巡る対論でした。

「脳」をキーワードにして、現在の医療・社会制度・倫理観に鋭く食い込んだ内容でした。
生命を考える際に切っても切れない問いに「死とは何か」があるのですが、養老氏は「死体もヒトである」と断言します。
正直に言うと、彼の死生観には、少し抵抗のある部分もありました。

ヒューマニズムという語に対して、両者意見を言う場面があるのですが、そこでの議論が大変印象的でした。

「結局ヒューマニズムというのは、人間の間にまず差別を設け、強者による弱者の搾取や支配を正当化するイデオロギー装置であるといえる」(p154)

本来、ヒューマニズムは人間の平等を標榜する概念なのですが、それは明確な線引きを必要とします。あるサークルを規定し、その内部はすべて平等に取り扱うことにするのですが、外部は全く平等原理から外れるのだそうです。つまり、初めから差別を前提にしているのである、と。

もっと深遠なことも、述べられています。まぁ、とりあえずは、僕の能力ではこんぐらいの感想が分相応かと。

院協と四月

一昨年からの懸念事項であった、博士課程前期課程・後期課程院生協議会の合併が、この程無事に終了いたしました。


「なんのこっちゃ」っと自分でも思うのですが、足かけ三年にわたる私の大学院生活の一大テーマでしたので、感慨もひとしおです。
図らずも、やってしまったフィクサーとしての立場を十分に発揮して、周りの皆様を遍く巻き込んで、活動しておった頃が懐かしく思います。
そもそも、エクセルもよう使わん人間が、ネットワークプリンターの設定をすること自体が無謀でした。愛知の友人くんよ、ホンにすまんかったのぅ。
「引っ越し作業をいかに滞りなく終わらすか」という、なんの利益もおもしろみも無い話し合いに、連日付き合ってくれた京都の友人さん、ありがとうございます。


こんな時は常は、酒を飲みに行くのですが、なんかそんな気分じゃないんです。実はあんまりうれしくもないんですねぇ。
やっぱり、愛知くんと京都さんにぎゃぁ、ぎゃぁ言うて手伝ってもらっていた時が一番楽しかったなぁ。
一緒に祝ってもらえる人がいなくなってしまっていることを実感するのは、やっぱりさみしいもんです。

四月は別れと出会いの季節らしいけど、別れはつらいなぁ〜〜〜〜。
実感。